スマホからのエンジン始動は可能か?

冬季はフロントガラスに氷の幕が張ることがあります。ガラスにお湯をかけると割れてしまうので、デフロスター(車のエアコン)で融解する必要があります。そのため、冬場はエンジンスターターが必須です。(怠惰ですみません)

しかし、たまにスターターをつけ忘れてしまうことがあるため、アプリやIoT機器を通して、定刻にスターターをONにすることはできないものか、と考えていました。

そこで、スマホやスマートリモコンなどから車のエンジンを始動できないのか調査してみました。

エンジンスターターアプリを利用する

メーカーが提供するサブスクリプションに加入していれば、対応車種に限りスマホアプリを通じてエンジンの始動ができるようです。

プッシュスタート化キット「ソニックスタート」を使用する

エンジンキーを回してエンジンを始動するタイプの車をプッシュスタートにするキットとして、「ソニックスタート」という製品があります。

このソニックスタートのスマホ対応セットを使用することで、スマホからエンジンが始動できるようになるようです。

但し、元がプッシュスタート方式の車には取り付けできないようです。

Flipper Zeroを使用する

Flipper Zeroという機械に電波の複製機能があります。未検証のため可能かはわかりませんが、これを使えばスターターのリモコンの電波を複製することが可能かもしれません。

Flipper Zeroは、スマートキーの電波を複製して開錠することができます。しかし、問題点もあるようです。

通常スマートキーは常に微弱な電波を発していて、ローリングコードという暗号鍵を車と共有しています。

例えば、[111, 222, 333, 444]というローリングコードがあったとして、スマートキーで開錠するとき、111というコードが使われたとします。すると、111というコードは二度と使えなくなります。(実際のローリングコードはこれほど単純な値ではないです。)

このような盗難対策が行われているため、仮に車を開錠したとき、犯罪者に開錠時の電波が傍受されたとしても、その電波で開錠することはできません。しかし、車に電波が届かない場所でスマートキーの開錠ボタンを押したときの電波を複製すれば、1度だけその電波で開錠できます。

ただし、これを繰り返すと、スマートキーの登録情報が車両から削除され、スマートキーの登録を再度行わないと開錠できなくなるようです。

もし、このような機能がスターターにも搭載されていた場合、スターターのリモコンが使えなくなる恐れがあります。スターターのリモコン登録は、機種にもよると思いますが、車のキー登録に比べて簡単だと思うので、そこまで大きな問題にはならないとは思いますが、スマートキーと同様にローリングコードを使用しているのなら、毎回Flipper Zeroに電波の学習を行う必要があるため不便です。(Flipper Zeroを使う意味がなくなります。)

ちなみにFlipper Zeroは入手性が悪く、スターターを購入したほうが安価で手っ取り早いです。

リモコンが複数あるエンジンスターターは存在しないのか

国交省のガイドラインに以下の規定があります。

遠隔操作式エンジンスターターの送信機及び受信機は、1対1でのみ機能するものであること。

ガイドラインに法的な拘束力はありませんが、企業としてガイドラインに順守した製品を作ることが求められるため、複数台リモコンが登録できるスターターは存在しないと考えます。
(Amazonではスペアリモコン付きのスターターが販売されていますが、これらはおそらく技適がないため、日本国内での使用は電波法に抵触します。)

また、スターターのリモコンを分解・改造すると電波法違反となります。

電波を発する機器は「技適」という使用許可を得る必要があり、メーカーは技適証明を受けて販売しています。しかし、技適申請を受けた機器を分解・改造すると、その時点で技適証明は失われます。よってその機器は技適証明を受けていない違法な機器ということになり、その機器を使用すること自体が違法となるのです。

結論

一般的には難しい。多忙で経済的に余裕がある人なら検討の余地があるかも。

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